一般に市街地の気温が郊外より高いことは古くから知られており、東京の都心では郊外に比べ夏の最低気温が約3-4℃高くなっています。その原因は、市街地の地表面の大部分が反射率の低い建築物、舗装道路などで覆われているために、それらが日中に太陽エネルギーを吸収することに起因している。高遮熱性塗料によって、ヒートアイランド現象の緩和に寄与することに関しての研究もされています。
2001年、日本地理学会で発表された新津潔氏(科学技術振興事業団)らの「サーマルストレス緩和のための高遮熱性塗料の性能検証実験」に当社の高遮熱性塗料の試作品が使用されました。

実 験 方 法
バンコクのAIT(アジア工科大学院)キャンパス内に、同一素材、形状、大きさの実験家屋を2棟建築し、一方の屋根面に高遮熱性塗料を、一方に通常塗料を塗布した。塗色は、バンコクで普及している緑色とし、実験の前半と後半でそれぞれ濃緑色(日本塗料工業会色見本帳 Y45-60D近似色)と淡緑色(同 Y42-30H近似色)とに条件を変更して計測を実施した。屋根面の放射収支(短波、長波)を測定するために、放射収支計Kipp&Zonen(CNR-1)を東側屋根面上90cmの位置に設置した。また、屋根面から室内への熱貫流を熱流計REBS(PHF-01)を屋根裏面に設置して測定した。尚、室内温度も測定したが、ここでは割愛する。

実験家屋の様子は下の写真のとおり。


濃緑色(2000年3,4月)

淡緑色(2000年5,6月)



結 果
屋根面からの上向き短波放射は、濃緑色で2.8倍、淡緑色で1.9倍高遮熱性塗料の方が大きい。一方、通常塗料の場合でも、濃色から淡色への変更によって上向き反射特性が3倍程度向上した。ただし、高遮熱性塗料の濃色は、通常塗料の淡色と同程度に、上向きの反射特性が高い。結果は表2のとおり。

  濃緑色 淡緑色
下向き 上向き 下向き 上向き
通常塗料 629.9 49.3 718.1 146.9
高遮熱性塗料 633.9 137.2 681.8 283.1
表2 放射収支観測の結果



屋根面から室内への熱貫流は濃緑色で32%、淡緑色で20%高遮熱性塗料の方が低い結果となった。(図3)

図3 屋根面から室内への熱流移動


これらの結果から、高遮熱性塗料は、省エネルギー効果およびヒートアイランド現象の緩和に役立つことが分かる。

以上





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